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December 14, 2006

菊池 健彦のTOEFL(R)iBT受験体験レポート

試験会場で・・・

いきなり会場入り口で私の名前が受験者リストから漏れていることがわかり、「会場を間違ったのかな?」と思って大いに焦りました。結局向こうの手落ちだったことが判明し、一安心。実施サイドがCBT並に習熟するのはまだ時間が掛かるように思われました。

受験者は入室順に三々五々試験を開始。結果として他の受験者がマイクに向かって話す声がどうしても耳に入ってきてしまい、結構気になりました。マイクや音量のチェックをする際、受験者は ” Describe the city where you live.” という主旨の指示に従って話します。ですから、自分がリーディングやリスニングをやっている最中に隣の人が “ I live in Tokyo. It’s a big city.” などと話し始めても驚かないでください。音質自体は私の記憶していたCBTのものよりかなり改善されたように思います。一昔前までのコンピューター録音独特の音飛びのような感触はほとんど消えていました。

試験内容

リーディング

CBTのリーディングで満点を持っていても、iBTで一回目から満点を取れる受験者は殆どいないのではないでしょうか。特に、時間制限の厳しさはどんなに強調しても強調し過ぎることはありません。CBTの時間制限は、リーディング全体で設定されていたので、苦手なパッセ-ジや設問でかなり時間を使っても得意分野で挽回できたのですが、iBTではその手が使えません。二十分で1パッセ-ジ、次の40分で2パッセ-ジ、最後の40分で2パッセ-ジというふうに細切れで制限されます。TOEFLの問題集に取り組む時も、それ以外で普通に英文を読む時も、常に時間配分を厳しく設定して読む訓練をして下さい。
使用されているパッセ-ジの質(語彙のレベル、内容の専門性など)や設問の難易度自体はCBTと比べてほとんど変っていませんでした。読まなければならない量は格段に増えるので、体力的には相当きつくなりますが。難問、奇問の類はなかったように思います。日頃から一行でも多く英文を読み、一語でも多く単語を覚える、という地道な努力さえ払っていれば怖れるに足りません。

リスニング

CBTと比べ、はるかに難しくなった、という印象は受けませんでした。反対に、ショートダイアログが消え、口語的な表現・イディオムが試されなくなったのは、多くの日本人受験者にとっては大きな負担の軽減といえるのではないでしょうか。
設問の作り方は相変わらずお見事、というしかありません。PBT, CBT時代から同じような傾向が続いているのですが、市販のTOEFL問題集と、ETSが実施する実際のTOEFLの最大の差は、リスニングの題材の選び方と設問の作り方にあると言えるでしょう。市販の問題集では、題材が専門的過ぎたり、設問が細かすぎたりするケースが非常に多いのですが、本番では、レクチャーや会話のレベルは一般的過ぎず、かといって余りに専門的でもない、さらに設問も細かい内容は問わず、講義や会話の大筋を捉えていれば正解できるように作られています。リスニングでも、毎日、こつこつ時事英語や学術的な英語を聞き続けていればiBTで高得点を取ることは可能です。

スピーキング

個人的に最も警戒していたセクションです。やはりリーディングやリスニングに比べれば、初めての挑戦でしたので相当に緊張しました。強調したいことが二つあります。
第一に、タイマーなどを使って本番と同じ時間制限で話す練習の大切さです。何年も会話学校に通ったり、海外生活が長くスピーキングには自信がある、という人たちでも、TOEFLの形式に慣れていなければ、パニックに陥って60秒中50秒沈黙してしまったり、反対に前置きだけで終わってしまったりする可能性があります。
第二に、インテグレイテッドタスクにおけるノートテーキングの大切さです。とりあえずキーワードだけでも結構ですから、出来る限り書き留めて下さい。単語だけでも手元にあると、そこから芋づる式に思い出してそれなりに話せるものです。

ライティング

インテグレイテッドタスクに関しては、基本的にはリーディングとリスニングとテストだと思ってください。きちんと読み、聞き取りすることさえできれば、その内容を20分で書いてまとめることに特別の困難は伴いません。特にリーディングパッセ-ジが、ライティング中にも画面上で読めるのは本当に助かります。リスニングパッセ-ジの内容把握とノートテーキングに全力を注ぎましょう。
インデペンデントタスクで私に課されたトピックは、「代替エネルギー(太陽、地熱、風力など)は将来石油・石炭に取って代わるか?具体的に、詳細に論ぜよ。」というものでした。ここでひとつだけTOEFLに対して不満を言わせてもらうと、表向き、TOEFLは英語の語学力を問うテストで、専門的な知識は必要ではないし、ある分野に精通しているから有利になることもない、ということになっています。しかし、このトピックでは、英語がどんなにできても、具体的な世界のエネルギー事情を知らなければ何も書けません。賛成、反対の総論ではなく、具体的に、詳細に述べよ、と言っているわけですから。残念ながら、主導権はTOEFLが百パーセント握っていますから、受験者は従うしかありません。おそらく、こんなトピックが多く出題されることになるのでしょう。唯一の対抗策は、日頃から英語を勉強すると同時に、世界中のあらゆる事柄に対して見聞を広め、自分なりの考えをまとめることです。

終りに・・・

今まで私が受けた英語のテストのなかで, 精神的にも体力的にも最もきついテストの一つでした。また、同時にもっとも充実感の残るテストでもありました。怖がらずにとりあえずチャレンジして下さい。よほどの上級者でも、二回、三回と繰り返し受験して慣れなければ、十分に実力を発揮するのは無理だと思います。

投稿者 ilc : December 14, 2006 2:26 AM